寒さが味噌をおいしくする
二十四節気の「大寒」(例年1月20日頃)は冷え込みが厳しく寒い頃。
年間で最も気温が低く、雑菌が繁殖しにくいこの時期の水を「寒の水」と呼び、古くから味噌やしょうゆの「寒仕込み」が行われてきました。寒さは発酵食品の醸造に力を貸してくれる自然の恵みなのです。今でも大寒を迎える1月~2月は味噌仕込みのハイシーズン。
今年は味噌を手づくりしてみませんか?
扱いやすい少量なら意外と簡単。味噌仕込みのワークショップが盛んに開かれ、味噌づくりを楽しむ人が増えています。市販のものとは違った自家製味噌はおいしさも格別です。
味噌のつくり方
大豆と麹と塩の基本材料でつくるシンプルレシピです。
材料(※できあがり約3.8kg)
- 水 400cc
- 乾燥大豆 1㎏
- 麹 1㎏
- 塩 500g
※大豆:麹:塩=1:1:0.5を配合の目安に、好みによって分量を加減してください。
作り方
1. 大豆を煮る。
水洗いした大豆を分量の3倍の水に12時間以上浸して水を含ませます。2.5倍くらいの大きさにふくらめばOK。
大鍋に大豆と新しい水を大豆がかぶるくらい入れ、弱火でじっくり柔らかくなるまで煮ます。途中で煮詰まってきたら水を足しましょう。指で大豆を軽く押してつぶれるくらいのやわらかさになったらゆであがりです。
ゆであがったらザルにあけて大豆と煮汁とに分けます。煮汁は後で硬さの調整に使うので残しておきます。
2. 材料を混ぜ合わせる。
熱いうちに大豆をつぶします。すりこぎ鉢ですったり、マッシャーでつぶしたり、方法はお好みで。フードプロセッサーを使うと簡単です。
大きなボウルに麹と塩を入れて混ぜ、ここにつぶした大豆を加えます。このとき、つぶした大豆の温度が高いと麹菌を殺してしまうので、大豆は人肌ぐらいに冷めてから混ぜ合わせましょう。
しっかりと混ぜ合わせ、触って硬いようなら煮汁を加え、耳たぶ程度のやわらかさになるように調整します。
3. 味噌を容器に詰める。
清潔な保存容器に味噌をギュウギュウと押しつけるように詰めていきます。空気が入らないようにするのがポイントです。
詰め終わったら、表面に軽く塩(分量外)を振って、ラップで密閉します。その上に中蓋を置き、重石(なければ雑誌やビニール袋に塩を入れたものなどで代用)を載せます。
容器にほこりが入らないようビニールなどで覆いをして、温度変化が少ない場所で熟成させます。
4. 熟成するのを待つ。
10日に一度くらいの頻度で味噌の様子を観察し、青色や黒色のカビがあるようなら取り除きます。初夏になったら、一度上下が入れ替わるように味噌をかき混ぜる「天地がえし」を行いましょう。
秋には食べごろになった味噌ができあがり。その後も、熟成が進んで味が変化していくのを楽しめます。1年以内くらいで食べきるとよいでしょう。
※記載内容は、取材対象者及び筆者の個人的な見解であり、特定の商品または発酵食品についての効果効用を保証するものではありません。