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インタビュー

松生クリニック 院長 松生恒夫 先生 インタビュー4 インフルエンザに備える!日々の食卓に、味噌、納豆、漬物?

2018.1.31

例年は1月から2月がインフルエンザのピーク

毎年、寒さを感じる季節になるとインフルエンザのシーズンがやってきます。今年も既に全国各地で流行の兆しをみせていて、例年、1月から2月にかけてピークを迎え、3月まで続きます。
冬場に流行する主なインフルエンザには、頭痛やのどの痛み、全身の倦怠感と38℃以上の高熱を伴うA型、風邪のような症状に加え嘔吐や腹痛、下痢といった消化器系の症状を伴うB型があります。さらに、通年性のC型もありますが、こちらは免疫力の弱い子供がかかることが多いのが特徴です。
A型は毎年流行し、人だけでなく鳥や豚などの動物にも感染するのに対し、B型は数年おきに猛威を振るい、人から人への感染しか確認されていません。A型の方が、症状が強く出る傾向があるのに対し、B型は長引きやすい傾向があります。

腸に張りめぐらされた免疫ネットワーク

ところで、インフルエンザと腸とは、免疫系を介して大きな関係があります。免疫系とは、外から体の中に入ってきた病原菌などの異物を見つけて攻撃し、排除するシステムです。私たちは、常に多数の細菌やウイルスに囲まれて生活していますが、この免疫系があるおかげで、病気から守られています。
その免疫系を担う、NK(ナチュラルキラー)細胞やT細胞、B細胞といった攻撃力の高い免疫細胞の約6割が、実は、腸にあります。口から食道、胃、十二指腸を経た先にある小腸と大腸は、「体の中の外」とも呼ばれ、外部環境に直接触れている器官といえましょう。そこには、たくさんの病原菌も入ってくるので、それらと戦う免疫系が必要で、これを腸管免疫と呼んだりしています。
免疫細胞とともに腸管免疫の中心的な役割を担うのが、小腸にあるパイエル板という名前の組織です。これは、病原菌を認識すると、その情報を免疫系に伝達する役割を果たしています。それ以外にも、小腸と大腸にある腸管上皮細胞や粘膜固有層とそこに存在するリンパ球、大腸に存在するクリプトパッチ(パイエル板のような組織)があり、腸の中には強力な免疫ネットワークが張りめぐらされているのです。

食事による対策も重要

このような腸管免疫のネットワークを良好に保つためには、食事内容が大きく影響してきます。
まず、先にあげた免疫細胞の主な栄養源は、体のエネルギー源となる糖分ではなく、タンパク質を構成するグルタミンと呼ばれるアミノ酸の一種です。このグルタミンは、旨味成分として知られるグルタミン酸とは別の物で、肉や魚、卵、豆などに多く含まれています。ただし、40℃以上で加熱すると熱変性を起こすため、生で食べることが望ましいのですが、そうなると、メニューはかなり限定されてきます。身近なものでは、魚の刺身などが適しています。人気メニューの卵かけごはんも良いのですが、ご飯が熱すぎるとグルタミンが壊れてしまいますので、少し冷めてから卵をかけてください。
グルタミンのほかにも、ビタミン類や亜鉛、セレンなども免疫力を高めるのに一役買っています。また、味噌や納豆、漬物などの植物性発酵食品に多く含まれている植物性乳酸菌も、小腸のパイエル板に作用したり、大腸の腸内環境を改善する効果があり、腸管免疫ネットワークを整え、活性化させることが期待できます。寒くなると腸の動きが鈍り、腸内環境が悪化しやすくなるため、植物性乳酸菌は、毎日、習慣的に摂取することをおすすめします。
インフルエンザウイルスは、気温が20℃より低く、湿度が50%以下の条件下で生存・繁殖率が高まりますので、空気が冷たく、カラッとした日が続く冬は、まさに要注意ということになります。インフルエンザを予防するには、もちろんマスクや手洗いなどでウイルスとの接触を避けることが重要ですが、同時に食事にも気をつけ、「腸からの対策」も重要であることを覚えておいていただきたいと思います。

松生恒夫(松生クリニック院長 医学博士)

1955年東京都生まれ。医学博士、日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。80年東京慈恵会医科大学を卒業後、83年同大学第三病院内科助手、94年松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2004年松生クリニックを開業。便秘外来を設け、地中海式食生活や漢方療法なども診療に取り入れ効果をあげ、全国から患者が訪れるクリニックとしても知られている。“腸のスペシャリスト”として、数多くのテレビ番組に出演するなどメディアでも活躍中。『腸に悪い14の習慣-「これ」をやめれば腸が若返る』(PHP研究所)、『朝の腸内リセットがカラダを変える』(主婦の友社)、『漬物を食べないと腸が病気になります』(廣済堂出版)、など腸に関する著書も多数。

書籍の紹介


著者の松生恒夫先生

老いない人は何を食べているか
松生恒夫(著)
定価:本体価格 780円+税
ISBN:9784582858549
判型/頁数新書 203ページ
2017年9月19日発行

※記載内容は、取材対象者及び筆者の個人的な見解であり、特定の商品または発酵食品についての効果効用を保証するものではありません。

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