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インタビュー

松生クリニック 院長 松生恒夫 先生 インタビュー2 「健康」も「見た目」も腸の影響を受ける! 腸と老化の深い関係

2017.10.30

「健康寿命」の延伸は国家的課題

老化とは加齢にともない生じる自然現象で、誰もが避けることはできません。しかも、高血圧や動脈硬化、心不全、骨粗鬆症、糖尿病、がんや認知症などの発症リスクが高まるため、注意や対策が重要となります。

最近、特に「健康寿命」ということが話題になっています。「健康寿命」とは、身体に問題がなく、自立した生活を送ることができる期間のことです。この「健康寿命」と平均寿命の差が、医療や介護に頼らないと生活できなくなる期間となります。それは、男性で9.02年間、女性では12.4年間もあり、寝たきり状態などもここに含まれます。つまり、人生最後の10年前後もの間を、不自由な状態で過ごすことになります。

さらに、この「健康寿命」は、ここ10数年の間、ほとんど伸びていません。超高齢社会を迎え、「健康寿命」の延伸は、国家的な課題となっています。

こうしたことは、若い人たちにとっては「まだ関係ない」と思われるかもしれません。しかし、「健康寿命」を縮める原因となる冒頭にあげた疾患の多くが、長年の生活習慣に起因するものですので、本来、若い人にこそ、真剣に考えていただきたい問題なのです。

老化にともない腸内環境が悪化

老化にともない、腸の機能も全般的に低下していきます。一般的に、年齢とともに腸の弾力性が弱まり腸管蠕動(ぜんどう)運動が低下し、そこに運動不足や食事内容の変化がともない便秘になりやすくなります。また、そうなると腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスも崩れ悪玉菌が増加して、腸内環境が悪化していきます。

では、このような悪循環を断ち切るためには、どのようにすればよいのでしょうか?

  およそ半世紀ほど前、山梨県の山間部にある上野原市の棡原地区が、長寿地域として注目を集めたことがありました。棡原地区は、当時、公的交通手段がない閉ざされた状況で、ほぼ自給自足の生活を送っていました。日々の食事には、野菜や穀類などがふんだんに使われ、食物繊維が豊富に摂られていました。また、味噌や漬物などから摂取される植物性乳酸菌も、腸内フローラを良好に保つことに役立っていたと考えられています。こうした棡原地区の人たちは、高齢者でも元気ではつらつとして、見た目にも肌のハリ・ツヤが良い人が多かったといいます。

発酵食品の摂取頻度・量が少ない人は、実年齢より老けている?!

ところで、ここに現代人を対象とした興味深い調査データがあります。全国の20~60代の男女1800人を対象に行ったアンケート調査によると、「発酵食品の摂取頻度・量が少ない人は、実年齢より老けていて、肌に自信がない」傾向にあるという結果がでました。また、同調査では、「5年前と比べ『醤油』『味噌』『漬物』などの特に植物由来発酵食品の摂取頻度が減少している」ということも明らかになりました(「現代日本人の発酵食品摂取と体調に関する調査(2017年)」より)。

このように、発酵食品の摂取状況や、それによる腸内環境の良し悪しは、「健康」だけでなく「見た目」にも大きく影響し、老化とも深く関わっているといえましょう。老化は誰にとっても避けられない現象ですが、それを遅らせることは不可能ではありません。日頃から食生活に気をつけないといけない理由がここにあるのです。

松生恒夫(松生クリニック院長 医学博士)

1955年東京都生まれ。医学博士、日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。80年東京慈恵会医科大学を卒業後、83年同大学第三病院内科助手、94年松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2004年松生クリニックを開業。便秘外来を設け、地中海式食生活や漢方療法なども診療に取り入れ効果をあげ、全国から患者が訪れるクリニックとしても知られている。“腸のスペシャリスト”として、数多くのテレビ番組に出演するなどメディアでも活躍中。『腸に悪い14の習慣-「これ」をやめれば腸が若返る』(PHP研究所)、『朝の腸内リセットがカラダを変える』(主婦の友社)、『漬物を食べないと腸が病気になります』(廣済堂出版)、など腸に関する著書も多数。

書籍の紹介


著者の松生恒夫先生

老いない人は何を食べているか
松生恒夫(著)
定価:本体価格 780円+税
ISBN:9784582858549
判型/頁数新書 203ページ
2017年9月19日発行

※記載内容は、取材対象者及び筆者の個人的な見解であり、特定の商品または発酵食品についての効果効用を保証するものではありません。

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