発酵の基礎知識

発酵飲料で健やか長寿の人生を

2018.11.1

スーパーの食品棚に並んでいる乳酸菌飲料。これが日本で開発されたものだと知っていましたか?

代表的な発酵食品であるヨーグルトをベースに考え出されたそうです。発酵食品と言えば、チーズや納豆などの固形物がすぐに浮かんできますが、飲料も多種多彩。お酒だってそうです。

発酵がもたらす効能があって手軽に取れるだけに、健康や美肌を得たい方は、乳酸菌飲料を子どもだけのものと思わないのはもちろん、発酵飲料自体を見直してもいいのではないでしょうか。

発酵食品は食べ物だけではない! 飲料も豊富

納豆にぬか漬け、味噌、キムチ、チーズ――日常の食卓でおなじみの発酵食品ですが、ボトルや小さい容器に入った「乳酸菌飲料」や「発酵乳」といった表示のある飲み物を目にされたことがあるでしょう。これも発酵食品ですし、日本酒やワイン、ビールなどの醸造酒もそうです。記録に残る限りでは、発酵食品の元祖はワインと言われ、約8000年前に西アジアで作られたのが始まりだそうです。

ただ、牛やヤギの牧畜が始まり、それらの乳から発酵乳が作られるようになったのも同じころのようですので、どちらが早いかは一概には言えそうにありません。

発酵飲料にはこのほか、紅茶やプーアル茶、黒酢などもあります。発酵飲料も発酵によって生まれるものである以上、細菌や乳酸菌、酵母などの微生物が生み出すさまざまな酵素や栄養素を含んでおり、私たちの体に恩恵を与えてくれる点では固形の発酵食品と変わりありません。

発酵乳と乳酸菌飲料

最近は「飲むヨーグルト」という言葉が定着してきました。

「飲むヨーグルト」も普通のヨーグルトも「発酵乳」に分類されます。ヨーグルトをベースに日本で初めて大正時代に作られたのが「乳酸菌飲料」です。その違いは厳密に規定されていますが、最も大きな違いは、牛乳から水分と乳脂肪分を除いた「無脂乳固形成分」の割合。8%以上あるものが発酵乳で、8%未満が乳酸菌飲料です。

無脂乳固形成分はミネラルやタンパク質のエッセンスですので、栄養価は非常に高いものです。一方、乳酸菌飲料の中でも無脂乳固形成分が3%以上のものを乳製品乳酸菌飲料、3%未満を単に乳酸菌飲料と呼びます。どちらも液体ですので飲みやすくて体内への吸収も良いため、乳酸菌が持つ整腸作用や免疫力増強などの効果が期待できます。

また、乳酸菌については、「生きたまま腸に届く」のが大事と言われます。確かに、ほとんどの乳酸菌は胃酸で死んでしまい、生きたまま腸に届かないのは事実です。しかし、最近の研究で、死んだ乳酸菌でも生きたままの乳酸菌と同様の効果があるということが分かってきました。

大切なのは、たくさんの種類の乳酸菌を取り込むことだといいます。

このほか、野菜や果物を長期熟成発酵させた植物発酵エキスを飲料にした酵素ドリンクも見かけるようになりました。植物発酵エキスは長期発酵の過程で栄養素が分解されて吸収されやすいという利点があります。

発酵飲料、甘酒の知られざる力

甘酒は米を原料にして作られ、昔から「夏の栄養ドリンク」として冷やして飲まれてきた日本独自の発酵飲料です。実はこの甘酒、ビタミンB1、B2、B6や葉酸、オリゴ糖、食物繊維、アミノ酸などのほか、多量のブドウ糖が含まれ、「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養効果の高い飲み物なのです。

葉酸を含むビタミンB群は美肌やストレスに効果があります。オリゴ糖や食物繊維は腸内環境を改善して便通を良くします。アミノ酸は生命維持に欠かせませんし、ブドウ糖は体内のエネルギー源です。

甘酒には米麴(こうじ)の発酵を利用した米麴甘酒と、酒かすを溶かして砂糖を加えた酒かす甘酒の2種類があります。

酒かすも米麴を使った発酵食品ですから、どちらもバランスよくいろんな栄養素を持っています。特に、酒かすに多い麴酸はシミやくすみ、そばかすを防いで美肌効果が高いことが知られています。ただ、酒かす甘酒は少しアルコールが残っているため子どもには飲ませない方がよく、砂糖を入れている分カロリーが高いので、ダイエットには不向きと言えるでしょう。

アルコールに見る発酵飲料の力

代表的な発酵飲料であるお酒の中でも、ワインはヨーロッパを中心に各地で古くから作られてきました。日本では「口かみ」といって、米粒をかんで混ぜアルコール発酵させたお酒が、縄文時代から弥生時代に作られたようです。

昔から「酒は百薬の長」と言われ、適度な飲酒は死亡率を下げるという研究結果がたくさんあります。厚生労働省が推進する「健康日本21」でも、日本酒なら1日1合、ワインなら120ミリリットルを「節度ある適度な飲酒」としています。お酒の効能に挙げられるのは、善玉コレステロールが増え、血行が良くなって冷え性が改善され、ストレス解消につながるなどです。

アルコールへの耐性は個人差が大きいですから、上手に付き合って、ストレスの少ない明るい毎日を過ごしてください。

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