発酵の力で、内側からすこやかに美しく。
普段の生活で発酵を楽しむコツやレシピ満載の、美人を醸すWebメディア。

発酵の基礎知識

話題沸騰!お茶で腸活 乳酸菌入りのお漬物のような後発酵茶

2020.12.24

<目次>

健康にいい後発酵茶とはどんなお茶?
後発酵茶はどんなところで作られている?
後発酵茶が腸活や健康維持にいいといわれるのはなぜ?
おいしい後発酵茶を飲もう
理想的な腸活とは? まずは、腸の仕組みに着目
乳酸菌は長寿に有用!「ヨーグルト不老長寿説」
「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)はひとつの臓器!? 人体に多大な影響を及ぼす腸
発酵食品を取り入れた腸活レシピで、腸内環境を改善!

後発酵茶と言う、お漬物に似ているお茶を知っていますか?緑茶、番茶、ほうじ茶などの日本茶は発酵を止めて作られた不発酵茶です。後発酵茶は乳酸菌で発酵させるお茶のことで、よくお漬物のようなお茶と称されることも。腸活に良いと言うことで注目されています。

今日は、後発酵茶の産地、製法などの基本情報、健康効果、飲み方まで紹介いたします。ぜひあなたの健康習慣に取り入れてみてください。

健康にいい後発酵茶とはどんなお茶?

茶葉には酵素が含まれているため、摘み取った後、放っておくと、発酵がどんどん進みます。その発酵度合いで、下記のように分類されます。

・不発酵茶:例)日本茶(緑茶、番茶、ほうじ茶など)
・半発酵茶:例)ウーロン茶
・発酵茶 :例)紅茶

ところが、後発酵茶はどこにも分類されません。

なぜなら、上記のお茶はその茶葉自体が発酵に影響しているのですが、後発酵茶は微生物(乳酸菌)の力で発酵させたお茶だからです。私たちがよく食べるお漬物は乳酸発酵されたもの。そのため、後発酵茶はお漬物のようなお茶と言われています。

後発酵茶の製法は、夏ごろ成長した茶葉を摘み取った後、いったん、日本茶のように熱処理して発酵を止めます。熱処理後の茶葉をたるの中に入れ、一定期間、乳酸発酵させて出来上がりです。

後発酵茶は日本、中国を取り巻く東南アジアで昔から作られていますが、国内ではどこで作られているのでしょうか?

後発酵茶はどんなところで作られている?

代表的な後発酵茶と産地を紹介しましょう。

阿波番茶(晩茶)

産地は徳島の那賀町周辺。弘法大師(真言宗の宗祖)が後発酵茶の作り方を教えたと伝えられています。と言うことは、1000年以上も前からあると言うことですね。

阿波番茶にする茶葉は夏ごろまで放置した後、摘み取ります。摘み取った茶葉は熱処理(釜ゆで)を行い、茶葉の発酵を止めた後、たるの中に寝かせます。そこで一定期間(1~3週間程度)、乳酸菌による発酵を行い、しっかりと乾燥させて出来上がりです。

碁石茶

高知県大豊町で約400年前から作られていると言われています。製法は原則的に阿波番茶と同じです。天日に干したとき、上から見ると碁石に似ていることから碁石茶と名付けられたようです。

バタバタ茶

富山県朝日町で作られています。いつの頃からは不明な部分が多く、縄文時代からと言う説もあれば、室町時代に仏教の関連事から始まったとも言われています。

基本的な製法は阿波番茶とほとんど同じです。ちゃせんでバタバタとお茶を泡立てて飲むとまろやかになると言うことで、バタバタ茶と名付けられたとか。

緑茶やほうじ茶などの不発酵茶が主流の中で、現在まで伝えられてきた後発酵茶は今ではまれな存在です。従来の日本茶のような爽やかでスッキリとした味わいとは違い、お漬物を思わせるような酸味やコクがあります。なぜ、今、このまれな後発酵茶が注目を浴びているのでしようか?

それは後発酵茶が腸活、健康に良いと評判になっているからです。

後発酵茶が腸活や健康維持にいいといわれるのはなぜ?

今、後発酵茶が腸活に良いと話題です。まだ、不明な点も多いようですが、後発酵茶を分析する専門家たちの研究報告があちこちで発表されています。

一般の日本茶にはない乳酸発酵によってできた発酵生成物が、腸活や健康維持をサポートしていると言われています。例えば、腸内環境の改善、血糖値を抑制して、糖尿病予防、生活習慣病の予防もできるのではないかと期待されています。

その他、多方面に渡り、後発酵茶が健康維持に良いと言う報告がたくさんあります。後発酵茶が良質な健康食品として期待されていることは間違いないようですね。

おいしい後発酵茶を飲もう

水1Lをやかんに入れ、沸かします。
いったん、火を止め、4~5gの茶葉を入れます。
再度、火をつけ、1~2分間、煮出して火を止めます。
しばらく、蒸らしてから飲みます。
急須の場合(2g/人)、沸騰したお湯を入れ、2~3分、濃い目が好きならば、もう少し蒸らしてもいいでしょう。

水出し茶もできます。
水1Lが入った容器に6~7gの茶葉を入れます。
2~3時間(一晩でもよい)置いて、飲みます。
後発酵茶独特の酸味が苦手な人は、水出し茶がおすすめです。

あまりよく知られていなかった後発酵茶が、腸内環境の改善に期待できるということで注目を浴びるようになりました。このようにまれでありながら、体に良い食品がまだまだ、日本に存在していると考えられ、非常に楽しみですね。

理想的な腸活とは? まずは、腸の仕組みに着目

「後発酵茶が腸活にいいと話題」とお伝えしたように、最近は、「腸活」という言葉をよく耳にしますが、そもそも腸活とは一体どのようなことを指しているのでしょうか?

「腸活」とは、文字通り、「腸を活性化させる」や「腸を活動させる」ことをいいます。では、腸活のために、具体的にどのようなことをすればよいのか、腸そのものの仕組みを知るところから、紐解いてみたいと思います。

人の腸管、主に大腸には約1000種類、100兆個の腸内細菌が生息しています。さまざまな細菌がバランスを取りながら群生し、まるでお花畑のように見える姿は「腸内フローラ」と呼ばれています。腸内細菌は、大きく分けて、「善玉菌」と「悪玉菌」、そのどちらでもない中間の菌の「日和見菌」という3つのグループで構成されています。なかでも最も数が多い菌は日和見菌で、次は善玉菌、そして最も少数なのは悪玉菌です。

人間の腸に腸内細菌が初めて生息するのは、人がこの世に誕生するとき。母親の出産時に産道を通過する際、新生児は母親から菌を獲得します。それが腸管内に生着するのです。腸内フローラは出生後2、3年で安定しますが、その後の食生活やライフスタイルによって、腸内環境の良し悪しは大きく変化します。食品添加物や消毒剤、PM2.5などのナノ粒子、抗生物質などにも影響を受けることがあり、それらが原因で腸内フローラの異常(ディスバイオーシス)を起こすと、便秘や下痢として症状が表れる人もいます。

腸内細菌の種類は人によって実に多様で、さらに食事環境や在住国などによっても異なるのだとか。人種による腸内フローラの違いも解明されつつあって、日本人はそのなかでも独特。食物繊維をエサとして発酵反応を促進する腸内フローラが多く、人体に有用な代謝物を生み出しているそうです。欧米人と比べると、酢酸を産生する腸内フローラやビフィズス菌が多いこともわかっています。(※1)

日本消化器病学会Webサイト 健康情報誌 「消化器のひろば」No.11
https://www.jsge.or.jp/citizens/hiroba/backnumbers/hiroba11/hiroba11_03

乳酸菌は長寿に有用!「ヨーグルト不老長寿説」

1908年にノーベル生理学・医学賞を受賞した、ロシアのノーベル賞学者のメチニコフは、腸内細菌が作る腐敗物質こそが老化の原因で、それを防ぐことができれば不老長寿は可能だという「ヨーグルト不老長寿説」を提唱しました。長寿者が多いブルガリアを旅行した際、ブルガリア人が愛するヨーグルトに着目し、それに含まれる乳酸菌が長寿に有用だと説いたのです。

メチニコフが言う「腸内細菌が作る腐敗物質」とは、悪玉菌によって生まれるものを指します。健康的な腸内細菌はビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が優勢で、善玉菌は乳酸や酢酸などを作り、腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にします。それによって、食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境を作るのです。

しかし、食事のバランスが崩れたり、不規則な生活やストレスなどを重ねると、腸内には悪玉菌が増えます。すると、下痢や便秘など便通の不調をはじめ、風邪を引きやすくなったり、花粉症が悪化するなど、 さまざまな体の不調を起こしやすくなるのです。そこで大切なのは、腸内環境を善玉菌優勢のバランスに戻すこと。腸内環境を整えて良好な状態にすることが、理想的な腸活なのです。

腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)はひとつの臓器!? 人体に多大な影響を及ぼす腸

腸内環境がよくなると腸の働きが活発になり、便秘やおなかの張り、下痢などの不調が軽減する効果が期待できます。また、免疫細胞は腸内に多くあるため、免疫力がアップし、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染を予防する可能性が指摘されています。免疫機能のバランスが整うと、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状も軽減するうえ、老廃物を排出し、ビタミンを産生することで、健康な肌をキープできるとも言われています。ほかには、生活習慣病の予防やうつ症状を軽減するなどの報告も。それほど、腸の状態は人体に多大な影響を及ぼすのです。腸内細菌のもつ総遺伝子数は、人のもつ遺伝子の100倍以上に上ることが明らかになっていることから、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)をひとつの臓器として例える考え方も広まっています。

腸内環境改善のため善玉菌を増やしたい場合は、次の方法を試すといいでしょう。1つめは、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を豊富に含む、ヨーグルトや納豆、キムチ、ぬか漬けなどの発酵食品を直接摂取することです。2つ目は、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を摂取すること。食物繊維を多く含むのは、コンニャク、雑穀、寒天、海藻類など。食物繊維とオリゴ糖を含むのは、大豆、ゴボウなど。オリゴ糖は、ニンニク、タマネギ、アスパラガス、ネギ、バナナなどに含まれています。

発酵食品を取り入れた腸活レシピで、腸内環境を改善!

善玉菌を含む食品と善玉菌のエサとなる食品を一緒に摂取すると、腸はさらに元気になります。たとえば、ヨーグルトにバナナを入れたり、納豆に刻んだネギをのせる。または、ヨーグルトにすりおろしたリンゴを入れて、それにハチミツをかければ、乳酸菌と食物繊維、そしてオリゴ糖のすべてを一度に食べられます。自分好みの腸活レシピを朝食に取り入れて、快便を促す習慣をつけるといいでしょう。

ただし、注意点もあります。オリゴ糖を摂取すると下痢を起こしたり、おなかが張ることがあります。このような場合には1回の量を2、3回に分けて摂るなど、量を調整しましょう。腸内細菌がオリゴ糖に慣れるよう、徐々に摂取することが大切です。

腸内環境が整うと便通の改善が期待できます。また近年では、書店に行くと、腸活ダイエットに関する書籍が並んでいます。たとえば、発酵食品と食物繊維を合わせて摂取する食生活「シンバイオティクス」を提唱する本や、味噌とかつおぶしのけずり粉と炒りゴマをまぜて作る「腸活みそやせ玉」の作り方と活用レシピを紹介する本なども。在宅時間の増加で太ってきたと感じている人は、実践してみるといいかもしれません。

腸内環境の改善には、ひとつの善玉菌ではなく、複数の善玉菌を組み合わせることで効果が発揮されることがわかっています。複数の発酵食品の組み合わせのなかから、自分の体質に合うものを見つけ、腸活を始めてみましょう!

<参考文献>
・日本消化器病学会Webサイト 健康情報誌 「消化器のひろば」No.11
 https://www.jsge.or.jp/citizens/hiroba/backnumbers/hiroba11/hiroba11_03
・厚生労働省Webdサイト e-ヘルスネット「腸内細菌と健康」
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
・Acco MUKAWA著 『シンバイオティクスで腸内フローラを整える:最新の腸活栄養学とダイエットレシピ』(アポワンティフード&サイエンス出版部)
・加勢田千尋著 『「やせ玉」腸活ダイエット 10Kgの減量にたった4ヶ月で成功した管理栄養士が教える』(主婦と生活社)

※記載内容は筆者の個人的な見解であり、特定の商品または発酵食品についての効果効用を保証するものではありません。

キーワード

おすすめ記事

ページの先頭へ