紀元前から食べられていた発酵食品
味噌や漬物、しょうゆ、チーズ、ヨーグルトなど、発酵食品は私たちの毎日に欠かせない食品です。では人類は発酵食品をいつ頃から生活に取り入れていたのでしょう?
実は発酵食品の始まりはハッキリとはわかっていません。ただ狩猟を行っていた時代から発酵食品が食べられていたことが、遺跡の調査などから明らかになっています。人は文字で記録を残す以前、まだ微生物や発酵の働きがわかる前から、経験的に発酵のすばらしさを知っていたのです。
発酵食品のルーツは自然発生した発酵物を人が偶然に発見したものだったと考えられ、諸説ありますが、酒か発酵乳だとされています。
酒は人類最古の発酵嗜好品
酒の始まりは、はちみつに水を混ぜて発酵させたはちみつ酒(ミード)や、ブドウなどの果実を皮ごとつぶして酵母によって発酵させた果実酒などと言われています。
はちみつに偶然、雨水がまざり、そこからアルコール発酵してお酒になったものを人がたまたま発見して飲んでみた。あるいは、つぶれた果実がたまたま発酵し芳香を放っていたのでおそるおそるなめてみた。人とお酒の出会いはきっとこんな場面から始まったのではないでしょうか? 想像するだけでも楽しいですね。
メソポタミア地方の遺跡後からは7000年~8000年前にワインを作っていた形跡が発掘されています。紀元前3500年頃には、この辺りでビールもつくられていたようです。ワインはその後、エーゲ海から南ヨーロッパに伝わり、ローマ帝国とキリスト教とともに広まりました。
遊牧民族の生活を支えた発酵乳の発見
約6000年前から中央アジアの草原の遊牧民たちは、家畜の乳を生活に利用してきました。
彼らはおそらく搾った乳が発酵し、今でいう乳酸飲料やヨーグルトのようなものに変化するのを、偶然に発見し利用したのでしょう。
中央アジアの草原地帯は湿度が低く乾燥しているため、カビや腐敗菌が発生しにくい気候です。その一方で空気や草には乳酸菌がたくさん生息しています。そのため乳酸発酵がスムーズに進みやすい環境にあったのです。
遊牧民にとって乳は大切な栄養源です。長期保存のためにも発酵乳や、発酵乳を加工したチーズやヨーグルトなどの乳製品、乳酒などが発明されていきました。
※記載内容は特定の商品または発酵食品についての効果効能を保証するものではありません。