料理にたくさん使いたい! 発酵調味料のお酢の種類・特徴とメリット
お酢には健康に良い働きがたくさんあります。
また、料理に使うことで塩分の摂取量を減らせるなど、とても魅力的な発酵調味料です。
同じ発酵調味料の味噌(みそ)や醤油(しょうゆ)には塩分が含まれていますが、お酢は塩分がゼロのため塩分を気にしないで料理に利用できます。
お酢の健康メリットや種類・特徴について紹介します。
発酵調味料のお酢を料理にたくさん使うメリットとは
発酵調味料のお酢には、糖尿病、高血圧、高脂血症、骨粗しょう症などの生活習慣病、食中毒、および胃の粘膜を保護し胃潰瘍を予防する働きがあります。
その他にも食欲の増進、消化や疲労回復の促進、および内臓脂肪を減少させるなどの働きもあります。
さらに、お酢を料理に加えることで、取りすぎると健康に悪影響を与える食塩の摂取を抑えられます。
日本人の1日の平均塩分摂取量は、独立行政法人国立健康・栄養研究所が推奨する摂取量8g以下を大きく上回っています。厚生労働省の「平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要」によると20歳以上の平均食塩摂取量は9.9g(男性10.8g、女性9.2g)です。
お酢を料理に使うと酸味でおいしさを損なわずに塩分量を落とせます。
また、お酢には少量でも料理に加えると、実際の塩分濃度よりも塩分を強く感じさせる効果があります。
酸味で塩分を減らすには料理が限られ、また酸味が苦手な人にはお酢の量を増やせません。
しかし、少量であれば幅広い料理に使え、酸味が苦手な人でも塩分の摂取を抑えられます。
原材料を発酵させてできる酢の種類と特徴
お酢の種類は、農林水産省が定めた食酢品質表示基準では、大きく醸造酢と合成酢に分けられています。
醸造酢は、原材料を発酵させて造られた酢酸を含む液体です。
合成酢は、発酵によって造られていない酢酸を薄めた液体に、砂糖、酸味料、調味料などを加えた液体、またはこれらに醸造酢を加えた液体のことです。
醸造酢は、さらに原材料別に穀物酢と果実酢に分かれます。
穀物酢には米酢、黒酢、大麦黒酢の3種類があり、果実酢には、りんご酢、ぶどう酢の2種類があります。
種類として明示されていませんが、お酢は糖質を含む原材料を発酵させるとできるため、上記の種類以外にも世界にはハチミツ、さとうきび、牛乳などから造られるお酢があります。
合成酢には、醸造酢のように健康に良い働きがないため、現在はほとんど生産されていません。
なお、食酢品質表示基準による種類には含まれませんが、醸造酢に醤油(しょうゆ)、砂糖、香辛料などを加えて味に特徴をもたせた加工酢(調味酢、合わせ酢とも呼ばれる)があります。
味の特徴は主観的で個人差もあり表現が難しいですが、一般的には以下の特徴があります。
米酢:まろやかな酸味
黒酢、大麦黒酢:コクのある酸味
りんご酢、ぶどう酢:フルーティーな酸味
発酵調味料のお酢を料理に上手に使うためのヒント
お酢を料理に上手に使う方法はたくさんありますが、ここでは代表的な3つを紹介します。
発酵調味料のお酢を使うことで、「健康メリット」「減塩」「料理がおいしい」のトリプルメリットが得られます。
1.お酢で油っこい料理をあっさりさせる
素材から出る脂分が多いと油っこくなって食欲が落ちますが、同じ脂分の料理でもお酢を加えることでさっぱりとした味に感じられます。
油っこく感じるのは、油が固まった部分とそうでない部分があることで、油っぽさを舌が強く感じるためです。
お酢には、油の粒子を小さくして均一にする働きがあり、油が均一になることで油っこさが軽減されます。
2.黒酢で中華料理が一層引き立つ
中華料理にお酢を使う人は結構多いですが、自宅では黒酢を使いましょう。
黒酢にはアミノ酸が豊富に含まれ、うま味が多く料理にコクと香りが加わっておいしさが増します。
3.醤油の代わりにお酢で減塩をする
料理ではありませんが、食べるときにもお酢を活用しましょう。
例えば、焼き魚を食べて塩味がたりないと感じると、通常は醤油をかけますが、お酢をかけると塩味を強く感じて、塩分を増やすことなくおいしく焼き魚を食べられる可能性があります。
他の料理でも積極的に醤油の代わりにお酢を活用しましょう。
お酢をもっと知ろう!発酵でお酢ができるまでのプロセス
たくさんのメリットのあるお酢がどのようにして出来るかを知って、もの知りになりましょう。
お酢は以下の3つの工程を経て造られます。
1.酒精発酵
原材料に酵素、次に酵母を加えてアルコール発酵をさせてお酒を造ります。
2.酢酸発酵
出来たお酒にお酢を加えて加温し、酢酸菌を加えて酢酸発酵をさせると、お酒がお酢の主成分の酢酸に変化します。
3.熟成
酢酸発酵が終わったお酢は刺激臭が強いので、1ヵ月から2ヵ月程度熟成させることで、料理に使えるお酢が出来ます。
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