3大発酵調味料の意外に知られていない種類と健康メリット
料理に古くから使われる味噌(みそ)、醤油(しょうゆ)、酢は発酵を利用して造られる3大発酵調味料です。
発酵で料理がおいしくなる3大発酵調味料の、意外に知られてない種類のことや健康へのメリットなどを紹介します。
発酵調味料の味噌の知識を深め調理に活用しよう!
味噌の種類
味噌は、大豆の発酵に使う麹(こうじ)の違いで米味噌、麦味噌、豆味噌、これらを混合した合わせ味噌の4種類に分かれます。味噌の特徴は麹と塩の割合、及び製法で差が出ますが、米味噌には米の甘み、麦味噌には麦の風味、豆味噌には控えめな甘さがあるのが特徴です。
味噌を造るときに大豆と混ぜる麹と塩分との割合の違いで、大きく辛口味噌と甘口味噌に分かれます。塩分量で辛さが決まりますが、同じ塩分量だと麹の割合が多いほど甘口で麹の香りが強く、少ないほど大豆の香りが強くなります。
味噌は、色の違いで大きく白味噌と赤味噌に分かれます。大豆を高温で長時間蒸して1年以上熟成させると味噌の色が赤みを帯びるため赤味噌と呼ばれ、通常辛口で香り・コクの強い味がします。大豆を煮て数ヵ月間熟成させると白みを帯びるため白味噌と呼ばれ、通常優しい甘みとあっさりとした味がします。
味噌の栄養成分
味噌には、必須アミノ酸9種類を全て含む良質なタンパク質のほか、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など豊富な栄養成分が含まれます。また、大豆タンパク質はそのままでは消化吸収されにくいのですが、味噌になると酵素の力で消化吸収されやすくなり効率のよい摂取が期待できます。
味噌の健康メリット
味噌には、がんや生活習慣病のリスクを軽減し、老化防止が期待できることなどが厚生労働省、国立がんセンターなどの研究で分かっており健康へのメリットが期待できます。ただし、調味料として摂取し過ぎには注意してください。
また、大豆でアレルギーを発症する人が味噌を摂取しても発症しにくくなるという研究結果があります。これは大豆に含まれるアレルギー物質が発酵・熟成の過程でアレルギーを起こさないアミノ酸に分解されるからと考えられています。
また、味噌の塩分は、同量の食塩を摂取したときに比べて塩分の体への悪影響を軽減することが動物実験で確かめられており、人にもそのメリットが期待できると考えられます。
醤油を知り調味料として活用し発酵パワーで健康になろう!
醤油の種類と特徴
発酵調味料の醤油の種類は濃口、淡口(うすくち)、溜(たまり)、再仕込み、白の5種類です。濃口は全体の出荷量の約80%以上を占め最も幅広く使用できる醤油です。
淡口は塩分濃度が低いと誤解されますが、濃口よりも濃度は高いので注意が必要です。溜は刺身を食べるときやせんべい・あられのつけ焼きなどに使われます。価格の高い再仕込みは濃厚で刺身やすしを食べるときなどに使われます。
白は素材の色を生かした調理に使われます。
その他の種類として、うま味の指標となる窒素化合物の含有量の多い方から超特選、特選、特級、上級、標準に分類されます。
醤油がおいしい理由
味覚には甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5種類があり、醤油の味の特徴はこの5つ全てが存在することです。また、香り成分も300種類以上確認されており、5種類の味覚と相まって料理に奥深い味を加えます。
醤油の調理効果と健康メリット
醤油には以下の調理効果があります。
- 人がおいしく感じる弱酸性に近づける
- 素材の生臭さを和らげる
- 焼き物の香ばしさを引き立てる
- 味を抑制し和らげる
- 味を引き立たせる隠し味効果がある
また、醤油の持つ殺菌力で食中毒の抑制、胃がんの抑制、及び食物を消化吸収する唾液や胃液の分泌を促すなどの健康メリットが期待できます。
発酵調味料の酢を使い料理をおいしくして健康体を目指そう!
酢の材料別の種類と特徴
発酵調味料の酢は糖分のある材料(穀物、果物など)から造られ多くの種類があります。大きくは穀物酢、果実酢、その他の酢に分かれます。
酢は酒を発酵させてできることから、国ごとの酒の文化と密接に関係しています。有名な酢として、米が材料の米酢、ぶどうが材料のワインビネガー、りんごが材料のりんご酢などがあります。
酢の健康メリットを得るために料理に積極的に使おう!
酢には食欲増進、疲労回復、便秘改善、内臓脂肪減少、がん抑制、高血圧予防、コレステロールや中性脂肪などの血中脂質低下、食後の血糖値上昇の抑制などの健康メリットが得られます。料理に積極的に使いましょう。なお、黒酢は穀物酢の一種で、一般の米酢が精米された米を使うのに対し栄養価の高い玄米を使用。
発酵期間は通常の酢が3ヵ月程に対し1年から3年かけて造られます。これにより黒酢にはアミノ酸、クエン酸などのほかビタミン、ミネラルも他の酢に比べて多く含まれ、他の酢より健康メリットが高くなることが期待できます。