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発酵食品事典

醤油(しょうゆ) 微生物のリレーが生み出すうまみと香り

2017.9.27
しょうゆ

身近な発酵食品「しょうゆ」

うまみや香りが豊かなしょうゆは、和食を中心にさまざまな料理に使える万能調味料。 日本で暮らす人なら、ほぼ毎日なにげなく食事に取り入れているおなじみの発酵食品です。

とはいえ、あまりに身近すぎて、その原料や製法について考えたことがない人も多いのではないでしょうか?

一般的なしょうゆ(濃口しょうゆ)の原料は大豆と小麦がほぼ半々。しょうゆづくりは、煮た大豆や炒った小麦に種麹をつけて麹菌を繁殖させる「麹づくり」からスタートします。 そして、麹菌・乳酸菌・酵母菌という3つの微生物たちがお互いの活動環境を整えながら順番に働き、ゆっくりと時間をかけ、うま味や香りを折り重ねていきます。しょうゆは、シンプルな材料をもとに、発酵によって豊かな味わいを身につけて香り高く変身していく発酵食品なのです。
 

「微生物のリレー」の産物

しょうゆに関わる微生物のうち、最初の主役は「麹菌」というカビの一種。麹菌は酵素を生み出し、大豆や小麦のタンパク質やでんぷんをアミノ酸・ブドウ糖に分解していきます。

麹菌が順調に繁殖して3日ほど経ち、しょうゆ麹になったところで塩水を加えてもろみをつくります。
そこで登場する2番手が「乳酸菌」。麹菌の酵素が作った糖を分解して、さわやかな酸味を生み出します。この乳酸発酵が進むにつれてもろみのpHが酸性になり、次に待つ「酵母菌」が活動しやすい環境が整います。そして3番手の酵母菌が糖を分解してアルコール発酵を行い、熟成を経て、深い味わいを生み出していきます。

また、最終的にできあがったしょうゆには300種類の香り成分が含まれているといいます。その多くは発酵を重ねていくことでつくり出されています。

このように大豆と小麦は、酵素の働きと発酵でしょうゆへと姿を変えていくのです。

麹菌

発酵調味料しょうゆの魅力

発酵は食品の味や香りを豊かにするだけではなく、栄養価をアップさせたり、スムーズな消化を促したりする効果が期待できます。大豆原料の発酵食品であるしょうゆも多分にもれず、健康をサポートする数多くの魅力が含まれていることが明らかになっています。

例えば、国立がん研究センターの発表にもあるように、大豆に含まれるイソフラボンは乳がん発生率を下げる傾向があるとされています。さらに大豆の発酵食品は抗酸化作用、悪玉コレステロールを除去する働きがあり、がんや高血圧などの生活習慣病の予防に役立つともいわれています。

このほかにも、しょうゆ成分にはアレルギー体質や冷え性を改善するなど、多くの機能性の高さが期待されています。
人間の目には見えないところで、微生物たちが新たな栄養素を生み出したり、栄養素を分解したりして、人間の健康に役立つ要素を生み出してくれているのです。

塩分の多さには要注意!

日常的に親しんでいるしょうゆには多くのメリットがありますが、気をつけたいのは「塩分」の多さ。一般的なしょうゆに含まれる塩分は約15%前後であり、その濃度はなんと海水の4倍以上! 高血圧でなくても、使いすぎには注意しましょう。
特に血圧の高さが気になる方は、減塩しょうゆを選ぶのもよいでしょう。また、使いすぎ防止には、料理全体にかけるのではなく小皿にとってつけて食べる、スプレー容器に入れて必要な分だけプッシュする、という工夫をしてはいかがでしょう。

しょうゆのバリエーションを楽しむ

しょうゆは原料や製法の違いで「濃口しょうゆ」「淡口しょうゆ」「たまりしょうゆ」「再仕込みしょうゆ」「白しょうゆ」などの種類があります。
例えば、素材の色を際立たせたいときには淡口しょうゆや白しょうゆ、刺身や照り焼きにはトロリと濃厚なたまりしょうゆなど、素材や目的に合わせて使い分けると料理が楽しくなります。

また、最近よく見かけるようになったのが「生(なま)しょうゆ」。一般的なしょうゆは発酵をさせたもろみを搾ったあとに、火入れ(加熱殺菌)をして、酵素の働きを止めてから容器に詰めます。この火入れをしていないのが生しょうゆです。火入れしたしょうゆ独特の加熱香気がついていないので、一般的なしょうゆに比べて香りも味も穏やかなのが特徴です。

若々しく健康に暮らすために、塩分に気をつけながら、毎日少量のしょうゆを楽しみながら取り入れてはいかがでしょう。

※記載内容は、取材対象者及び筆者の個人的な見解であり、特定の商品または発酵食品についての効果効用を保証するものではありません。

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