昔は辛くないキムチが主流だった?!
朝鮮半島でうまれた漬物といえばキムチ。 赤トウガラシとニンニクで乳酸発酵させた赤いキムチを想像しますが、キムチとはもともと朝鮮半島の「野菜の塩漬け」を意味する漬物の総称。材料や漬け方などはさまざまで、約200種類もあるそうです。
赤トウガラシを本格的に使うようになったのは18世紀頃からと意外と歴史は浅く、それまでは塩で漬けたあっさりしたものが主流でした。
赤トウガラシを使い始めてから、キムチは一気にバリエーションが増えたと言われています。
キムチは韓国オモニの味
キムチは野菜を塩や赤トウガラシ、にんにくなどの香辛料で漬け込んでつくります。
韓国では地域や家庭ごとに秘伝の調味料や香辛料の配合があり、キムチの数だけ味わいもさまざま。食事ごとにその家のオモニ(母)の味が出され、日々の食生活に欠かせない存在なのだそうです。
韓国冬の風物詩「キムジャン」って?
白菜が出回るようになると、韓国はキムジャンのシーズンを迎えます。
「キムジャン」とは、韓国の家庭で行われる年中行事。野菜がとれない冬のために、家族ひと冬分のキムチを漬け込むことをいいます。日本の味噌仕込みや梅干し漬けに少し似ているかもしれません。
その頃になると店頭には白菜や大根などの主原料、赤トウガラシなどの香辛料がキログラム単位でずらりと並び、天気予報ではキムチ漬けに適した「キムジャン予報」が流れるほど。キムジャンは韓国の冬の風物詩なのです。
乳酸菌の働きで消化吸収も栄養価もアップ
キムチの発酵は主に乳酸菌の働きです。
野菜についた乳酸菌の発酵で、食材に含まれるたんぱく質をうまみ成分のアミノ酸に、炭水化物をより分子の細かい糖に分解し、風味やうまみを引き出します。また発酵によって消化吸収もよくなります。
ビタミンが増加し、栄養価の高い食品へと変化するのも乳酸菌の働きです。キムチが野菜の少ない冬の栄養補給として広がったのは、理に適ったことだったのです。
植物性乳酸菌の宝庫 キムチを食卓に
野菜を利用した植物性乳酸菌は、胃液腸液で死滅してしまう動物性乳酸菌よりも腸に届きやすいため、腸内環境を整えるのに役立ちます。
赤トウガラシに含まれるカプサイシンには脂肪の分解を促進する効果があるため、ダイエットにも役立ちそう。美容、健康をパワーアップするキムチの力を上手に利用し、ぜひ毎日の食卓に取り込んでみましょう!
※記載内容は特定の商品または発酵食品についての効果効能を保証するものではありません。