なれずしの代表格 琵琶湖周辺の郷土料理 鮒ずし
なれずしとは、魚介をご飯で漬け込み、重石をしてゆっくり乳酸菌発酵させたもの。特に琵琶湖周辺には、鮒、アユ、モロコなどの様々ななれずしが存在します。
伊吹、鈴鹿、比良、比叡などの山々に囲まれた滋賀県。豊かな水が、川を伝って琵琶湖へ流れ込み、潤しています。その湿潤な気候は、微生物にとって繁殖しやすい環境。豊かな水環境で育まれた湖魚や川魚が発酵菌と出会い、古くから発酵食文化が根付いてきました。
その代表格が鮒ずしです。琵琶湖固有種のニゴロブナを塩漬けにし、ご飯に漬けて発酵させた郷土料理です。鮒ずしの歴史は、奈良時代以前にさかのぼり、寿司の起源と言われます。鮒ずしは、かつて夏に漬け込み、お正月にいただく、ハレの日の食べ物。いまも琵琶湖周辺の各家庭で漬けられており、その伝統は受け継がれています。